姻族(いんぞく)とは、婚姻によって発生する親族関係のことをいいます。結婚することにより配偶者(結婚相手)の父母などとの間で姻族関係が生じるわけです。そして、民法では3親等までの姻族を親族(しんぞく)の範囲としています。

それでは、婚姻により発生した姻族関係はいつ終了するのでしょうか?

まず、離婚をした場合、配偶者の血族(父母など)との姻族関係は終了します。離婚をすれば夫婦の縁が切れるわけですから、夫の父母などとの関係も切れるのは当然だといえます。

しかし、夫婦の一方が死亡したときには、姻族関係が継続するのが原則です。たとえば、夫が死亡した場合でも、残された妻と舅(しゅうと)姑(しゅうとめ)との姻族関係は続くわけです。

そこで、生存配偶者が姻族関係を終了させたいと考えるときは、姻族関係終了届を本籍地か住所地の市区町村に出します。姻族関係終了届の提出には期限がありませんから、望んだときにいつでも手続きをすることができます。

姻族関係を終了するにあたって、姻族の同意を得る必要はありません。また、姻族関係を終了させても、夫婦であったことには変わりありませんから、死亡した配偶者の遺産を相続する権利を失うこともありません。

通常はあえて姻族関係を終了させる必要は無いはずですが、姻族関係があるままだと舅や姑の扶養義務を負う可能性があることは知っておいてもよいでしょう。

誰が扶養義務を負うのか

扶養義務を負うのは直系血族および兄弟姉妹であるのが原則です。直系血族と兄弟姉妹は互いに扶養義務を負います(民法877条1項)。

ただし、「家庭裁判所は、特別の事情があるときは、3親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる(同条2項)」とされています。

3親等内の親族に扶養義務を負わせ、扶養料の支払いを求めるときは、家庭裁判所へ「扶養義務の設定審判申立て」をします。

そして、家庭裁判所が「特別の事情」があると判断する場合には、扶養義務を設定する審判がなされますが、この特別の事情の存否についての判断は厳格におこなうものとされています。

特別な事情があるとされる具体的な例としては、かつて特別な経済援助を受けていたことがあるとか、扶養を求める相手方が、申立人が受けるべき遺産を単独で相続している場合などが考えられます。

配偶者との死別後に再婚した場合の姻族関係

姻族関係終了届を出さない限り、配偶者との死別後に再婚をしたとしても、前配偶者の血族との姻族関係は終了しません。

それによって問題が生じることはあまり考えられませんが、複数の姻族関係が生じている状態となります。したがって、前配偶者の両親などに対する扶養義務を負うことも法律上はあり得るわけです。