連帯保証人と相続

銀行などの金融機関や貸金業者から借入をする際に、連帯保証人を付けるよう求められることがあります。

会社(法人)としての借入であれば、代表者個人が連帯保証人となることで済む場合もあるでしょうが、個人事業主が事業資金を借りるときには、主債務者である事業主以外の第三者が連帯保証人となっているケースも多いようです。

連帯保証人は借り主(主債務者)の配偶者や、親、子がなる場合もあれば、親族関係の無い第三者がなっていることもあります。

もしも、主債務者(借り主)が借金を完済する前に、連帯保証人が死亡した場合には、連帯保証人としての義務は相続されるのでしょうか。また、主債務者(借主)が死亡した場合、連帯保証人としての義務に影響はあるのでしょうか。

1.連帯保証人が死亡した場合の、保証債務の相続

以下、単に保証債務と記した場合であっても、連帯保証人としての債務(連帯保証債務)についても同様だとお考えください。

1-1.保証債務は相続されるのが原則です

被相続人(亡くなった方)の法定相続人は、被相続人の遺産を相続しますが、そこには債務も含まれます。したがって、保証債務についても相続人に引き継がれるのが原則です。この場合、各相続人がその法定相続分に応じた割合で保証債務を負担することとなります。

相続人間で、特定の相続人だけが保証債務を引き受けるとの合意をすることもできますが、その際には、債権者(金融機関など)の合意を得たうえで保証書などを交わしておく必要があります。相続人間の合意だけでは、債権者に対抗することはできないのです。

債権者の合意が得られない場合や、すべての相続人が連帯保証債務から逃れようとするときには、相続放棄を検討します。

この相続放棄手続きは、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内(熟慮期間)に家庭裁判所でおこなう必要があります。これは、自分が第一順位の法定相続人であれば、通常は被相続人が死亡したときから3ヶ月だということになります。

相続放棄をすべきと思われるときは、早急に法律専門家(司法書士、または弁護士)にご相談ください。また、相続放棄申述のページもご参考にしてください。

相続放棄申述

1-2.保証債務の存在を後で知ったとき

借り主(主債務者)による支払いが滞らない限りは、債権者から連帯保証人に対して連絡がないこともあります。そのため、連帯保証人の死亡から相当な期間が経過した後に、相続人へのの請求がおこなわれる場合もあるでしょう。

この場合、保証債務の存在を知ったときから3か月以内であれば、相続放棄の手続きができることもあります。早急に、相続放棄の手続きにくわしい専門家に相談したうえで対応を検討するべきです。

1-3.根保証契約

保証債務であっても、根保証契約については当然に相続人に引き継がれるとは限りません。根保証とは、継続的取引から将来にわたって発生する不特定多数の債務を保証することを目的とする保証契約のことをいいます。

判例では、根保証契約における保証人の地位は、特段の事由のないかぎり当事者その人と終始するものであって、保証人の死亡後生じた債務については、その相続人において保証債務を負担するものではないとしました(最判昭和37年11月9日)。つまり、被相続人の死亡時までに既に発生していた債務の限度で相続人が引き継ぐわけです。

2.借り主(主債務者)が死亡した場合の、連帯保証人の義務

連帯保証人としての義務は、債権者と連帯保証人の間の「保証契約」により生じるもので、主債務者と債権者との間の「金銭消費貸借契約」とは別のものです。したがって、主債務者に生じた事情が保証契約に影響を与えることは無く、主債務者が死亡してもその連帯保証人としての義務が消滅することはありません

借り主(主債務者)が債務を完済すれば保証債務も消滅します(消滅における付従性)。しかし、主債務者が死亡してもその債務が消滅することは無く、そのまま法定相続人に引き継がれます。よって、連帯保証人の責任には変わりが無く、主債務者の相続人とともに債務の支払い義務を負うことになります。

そこで、もし保証債務の支払いが不可能な場合には、連帯保証人が自己破産個人民事再生などの債務整理手続きをすることもあります。

なお、連帯保証人が相続放棄などの方法によって、保証債務の支払い義務から逃れることはできません。仮に、連帯保証人が主債務者の法定相続人であり、その主債務者(被相続人)の相続について相続放棄の手続きをしたとしても、保証債務が消滅することはありません。

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