法律上の夫婦でない男女間に生まれた子であっても、父が認知したときには、その子どもは父の相続人となります。認知は、父親が市町村に認知届を出すことによる他、遺言によっておこなうこともできます。

子を認知する遺言の書き方

子を認知する遺言の書き方は次のようになります。

遺言者○○○○は、次のとおり遺言する。

第1条 次の者は、遺言者東京一郎と千葉花子との間の子であるから、これを認知
する。

本籍   東京都豊島区東池袋○丁目○番
住所   東京都豊島区東池袋○丁目○番○号
筆頭者  千葉花子
氏名   千葉夏子
生年月日 平成00年00月00日

第2条 遺言者は、遺言書の有する財産を長男東京太郎(昭和○○年○○月○○日生)、及び上記千葉夏子に2分の1ずつ相続させる。

第3条 第1条の遺言執行者に、上記千葉花子を指定する。

この例では、非嫡出子である子(千葉花子)を遺言によって認知をした上で、嫡出である子(長男東京太郎)と、2分の1ずつ相続させるとしています。子の法定相続分は嫡出子も非嫡出子も同じなので、遺言するまでもなく相続分は2分の1ずつなのですが、遺言者の意思を明確にするために書いています。

なお、非嫡出子の相続分についての解説は、非嫡出子(婚外子)の相続分を定めた民法第900条第4号の改正についてをご覧ください。

認知の届出は、遺言執行者が行うことになっているので、遺言執行者を指定しておくのが良いでしょう。本例では、子の母(事実婚の妻)を遺言執行者としています。遺言執行者の指定がない場合には、家庭裁判所により遺言執行者を選任してもらいます。

子が成人している場合の認知

成年の子は、本人の承諾がなければ認知することができないとされています。ただし、遺言書を作成する時点で、子の承諾を得ておく必要はありません。

遺言による認知の場合には、遺言執行者がその就職の日から10日以内に認知の届出をしなければならないとされているので、そのときまでに、この承諾が得られれば差し支えないでしょう。

胎児、死亡した子の認知

まだ生まれていない子(胎児)であっても、認知することができるとされています。子が生まれる前に、父が死亡する恐れがある場合に、胎児の認知が利用されます。

ただし、胎児を認知する際には、母の承諾を得なければなりません。この場合も、認知の届出をするまでに母の承諾が得られれば良いでしょう。

また、死亡した子を認知することも可能です。ただし、死亡した子の認知は、その直系卑属があるときに限られます。死亡した子に、子どもがいる場合に、その子に財産を相続させようとする場合に、死亡した子の認知が利用されます。

この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、その承諾を得なければならないとされています。

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