借金の消滅時効

1.消滅時効はいつ完成するのか

借りたお金は返さなければならないの当たり前のことです。しかし、何らかの事情で返済ができなくなってから、長い年月が経っている場合には、消滅時効が完成しているかもしれません。

消滅時効について、次のとおり民法で定められています。

民法167条1項 債権は、10年間行使しないときは、消滅する。

借金をすると、貸主が借主に対して「お金を返せ」と請求する権利を持つことになります。この権利が債権(さいけん)です。

そして、上記の民法によれば、「債権を10年間行使しないときには消滅時効が完成する」とされていますが、この10年間はいつからスタートするのでしょうか?

返済期限を決めてお金を貸した場合には、お金を返せと言えるのは「返済期限の到来時」からです。返済期限が来たから、借金の返済を請求することができるわけです。

そして、消滅時効期間の10年間がスタートするのも、返済期限の到来時からとなります。

民法166条1項 消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する。

権利を行使することができる時とは「返済期限が到来した時」ですから、消滅時効は返済期限が到来した時から進行するわけです。

2.カードローンやキャッシングの消滅時効期間

個人間のお金の貸し借りでは上記のとおり10年間で消滅時効が完成するのですが、銀行、クレジットカード会社、消費者金融などからの借入(カードローン、キャッシングなど)については消滅時効期間が5年となります(商事消滅時効)。これは、下記の商法の規定によります。

商法522条 商行為によって生じた債権は、この法律に別段の定めがある場合を除き、5年間行使しないときは、時効によって消滅する。ただし、他の法令に5年間より短い時効期間の定めがあるときは、その定めるところによる。

銀行、クレジットカード会社、消費者金融が、個人である借主に対してお金の貸し付けをするのは商行為(しょうこうい)に当たります。よって、5年間で消滅時効が完成することになります。

3.消滅時効の援用

時効による債権消滅の効果は、時効期間の経過とともに確定的に生じるものではなく、時効が援用(えんよう)されたときに初めて確定的に生じるとされています。

援用とは、「自己の利益のためにある事実を提示し主張すること」をいいます(Weblio辞書より)。つまり、時効の援用とは、消滅時効が成立した事実を相手方に主張することです。

時効の援用に決まった方法はありませんが、通常は内容証明郵便(配達証明付)によりおこないます。借主が自分自身ですることもできますが、認定司法書士または弁護士を代理人として時効援用をすることもできます。

4.時効の中断

消滅時効は、次に掲げる事由があった場合に中断します。時効が中断した場合、時効期間は振り出しに戻ります。

民法147条  時効は、次に掲げる事由によって中断する。

1  請求

2  差押え、仮差押え又は仮処分

3  承認

(1)請求

ここでいう請求は、裁判上の請求であるのが通常です。借金の消滅時効で問題になることが多いのは、貸金返還請求訴訟などの裁判や支払督促を起こされていた場合です。

裁判上の請求では、訴えを提起したとき、つまり、裁判所へ訴状を提出したときに時効中断の効力が生じます。さらに、確定判決(裁判上の和解、調停その他確定判決と同一の効力を有するものも含む)によって確定した権利については、時効期間が10年となります。

よって、消費者金融やクレジットカード会社からの借金であっても、裁判や支払督促を起こされて、それが確定しているときには5年が経過しても消滅時効は完成しません。

(2)差押え、仮差押え又は仮処分

いずれも裁判所でおこなう手続です。このうち、差押えをするためには、その前に債務名義(確定判決、仮執行宣言付の支払督促など)を得ている必要があります。したがって、裁判などを起こされていないのに、突然、差押えをされるということはありません。

(3)承認

承認とは、債権者に対して、権利の存在を知っていることを表示することをいいます。たとえば、借金返済の請求を受けた際に、「もう少し待ってくれ」と返事をするのは承認にあたります。また、借金の一部を返済したとすれば、残りの債務についての承認となります。

ただし、借主本人ではなく家族の方が一部弁済をした場合や、本人であっても脅されて支払をしてしまったようなときなど、時効中断の効力が生じないこともあります。不安や疑問があれば、すぐに専門家に相談することをお勧めします。

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