1.会社の目的と、その変更手続きについて

株式会社、有限会社などの事業内容は、会社の「目的」として会社定款に定め、登記をすることで登記事項証明書(登記簿謄本)に記載されます。

そして、許認可申請が必要な事業を行う場合には、その許認可申請の際に、登記事項証明書や定款を提出することになります。

たとえば、新たに会社を設立して、労働者派遣事業や、古物商(古物営業)をはじめるには、会社の目的に「労働者派遣事業」、「古物商(または、古物の売買)」を入れます。また、既存の会社が新規に上記事業を行う際には、目的を追加することになります。

会社の「目的」を追加するための手続き

会社の目的を追加するには、まず、株主総会において定款変更(会社の目的)の決議をします。続いて、定款変更決議をした旨の記載のある株主総会議事録を添付して、目的変更の登記をします。

法務局に登記申請書を提出してから登記完了まで1週間前後がかかります。登記事項証明書(登記簿謄本)が取れるのは登記完了後ですので、お急ぎの場合には早めにご依頼くださるようお願いいたします。

2.参考情報 会社目的の定め方について

2-1.事業を行うにあたって許認可申請が必要な場合

上記のとおり、事業を行うにあたって許認可申請が必要な場合には、会社の目的にその事業についての記載が求められることがあります。たとえば、次のような事業を行う場合です。

一般労働者派遣事業の許可 → 厚生労働大臣への申請(都道府県労働局を経由)
特定労働者派遣事業の届出 → 厚生労働大臣への届出(都道府県労働局を経由)
古物商許可 → 警察署への申請
介護保険事業者指定 → 都道府県知事への申請

2-2.会社目的の適格性

このような許認可申請が不要な場合には、もっと包括的な会社目的の定め方をすることも可能ですが、下記のルールにしたがう必要があります。

会社の目的は、明確性、適法性、営利性の3点が求められます。

外国語をそのまま使ったり、ある業界だけで使われている専門用語だと、一般人において理解不能だとは言えないので「明確性」が無いとと判断されることがあります。

また、そもそも違法である事業を目的として定めることができないのは当然ですが、他にも、たとえば、「法律相談」や「登記申請書の作成」といった目的は、弁護士法や司法書士法違反になるため使用できません。

さらに、会社は営利を追求する法人ですから、利益を上げる可能性のない事業は「営利性」が無いと判断されることがあります。たとえば、「政治献金」、「社会福祉への出資」、「永勤退職従業員の扶助」が登記不可とされた事例があります。

2-3.「商業」、「適法な一切の事業」は会社目的になるか

会社の目的は、明確性、適法性、営利性を満たしていればどのように定めても差し支えないのですが、通常は、「飲食店の経営」、「自動車の販売」など一見して具体的な事業内容が分かるように定めます。

ところが、「商業」、「適法な一切の事業」のように包括的、抽象的なものであっても、会社の目的として定款に定め、登記することが可能です。したがって、会社目的として「適法な一切の事業」とだけ定めておけば、許認可申請が必要な場合を除いては、目的変更をすること無くどんな事業でも行えることになります。

しかしながら、定款および登記事項証明書に記載されている会社目的が「商業」だけでは、具体的な事業内容が分かりません。そのため、他の会社などと新たに取引を開始しようとする場合に問題になることも考えられます。

具体的に何をしているのかが伺い知れない会社との、取引を避けようとするのは当然のことだとも言えます。そこで、どうしても「商業」、「適法な一切の事業」のような会社目的を定めようとする場合であっても、具体的な目的も同時に定めておくのが良いかもしれません。

「会社目的の変更登記」関連情報

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