株式会社の増資は、株式発行などの方法による他、準備金・剰余金の資本組み入れにより行うこともできます。

準備金では「資本準備金」および「利益準備金」、剰余金では「その他資本剰余金」および「その他利益剰余金」、いずれも資本組み入れをすることが可能です。

このうち、利益剰余金(利益準備金、その他利益剰余金)については、平成18年5月の会社法施行時には、資本取引と損益取引区分の原則により資本組み入れが禁止されていました。

しかし、平成21年3月に会社計算規則が改正されたことにより、資本剰余金(資本準備金、その他資本剰余金)に加え、利益剰余金(利益準備金、その他利益剰余金)の資本組み入れが可能となったのです。

したがって、会社法の施行時に発行された「新会社法」対応の書籍には「資本組み入れができるのは資本剰余金(資本準備金、その他資本剰余金)に限る」と記載されていますから注意が必要です。

私も以前にヒヤリとしたことがあります。そこで、「その他利益剰余金の資本組み入れ」による登記をご依頼いただいたのを機に記事にした次第です。

松戸の高島司法書士事務所では、会社の登記(商業登記)も得意にしております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

参考条文

会社計算規則

(資本金の額)
第二十五条  株式会社の資本金の額は、第一款及び第四節に定めるところのほか、次の各号に掲げる場合に限り、当該各号に定める額が増加するものとする。
一  法第四百四十八条の規定により準備金の額を減少する場合(同条第一項第二号に掲げる事項を定めた場合に限る。) 同号の資本金とする額に相当する額
二  法第四百五十条の規定により剰余金の額を減少する場合 同条第一項第一号の減少する剰余金の額に相当する額

会社法

(準備金の額の減少)
第四百四十八条  株式会社は、準備金の額を減少することができる。この場合においては、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
一  減少する準備金の額
二  減少する準備金の額の全部又は一部を資本金とするときは、その旨及び資本金とする額
三  準備金の額の減少がその効力を生ずる日
2  前項第一号の額は、同項第三号の日における準備金の額を超えてはならない。
3  株式会社が株式の発行と同時に準備金の額を減少する場合において、当該準備金の額の減少の効力が生ずる日後の準備金の額が当該日前の準備金の額を下回らないときにおける第一項の規定の適用については、同項中「株主総会の決議」とあるのは、「取締役の決定(取締役会設置会社にあっては、取締役会の決議)」とする。

(資本金の額の増加)
第四百五十条  株式会社は、剰余金の額を減少して、資本金の額を増加することができる。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一  減少する剰余金の額
二  資本金の額の増加がその効力を生ずる日
2  前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。
3  第一項第一号の額は、同項第二号の日における剰余金の額を超えてはならない。

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