夫の両親の遺産を、妻が相続する方法はあるのか | 千葉県松戸市の高島司法書士事務所

子の配偶者は相続人に含まれません(配偶者の親と養子縁組した場合を除く)。たとえば、長男の妻が、義父をいくら献身的に介護したとしても、遺産を相続する権利は全くありませんでした。

夫の両親の遺産を、妻が相続する方法はあるのか

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(公開:2013年11月18日、 最終更新:2020年9月9日)

生前対策としての遺言書作成、養子縁組の検討など

特別寄与料の制度ができました

民法の改正により、特別の寄与(民法1050条)の制度ができました(令和1年7月1日施行)。被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした被相続人の親族は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(特別寄与料)の支払を請求することができるという制度です。

この特別寄与の制度によれば、「夫の両親の遺産について、妻が特別寄与料の請求ができる」可能性があることになります。ただし、特別の寄与をした被相続人の親族がいる場合でも、遺産分割は相続人のみでおこなわれます。そして、特別寄与者は相続人に対して金銭の支払を請求することができるわけです。

なお、特別寄与料の支払について、当事者間に協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、特別寄与者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができます。ただし、この請求ができるのは、特別寄与者が相続の開始及び相続人を知った時から6箇月を経過したとき、または相続開始の時から一年を経過したときに限られます。

(2020/09/09追記)以下の記述は、上記の「特別寄与料」の制度が出来る前に書いたものです。ただし、子の配偶者(長男の妻など)が相続人にならないのは現在も変わりませんし、生前対策として行えるのが「遺言書の作成」や「養子縁組」に限られることも変わりありません。

特別寄与料の支払いを請求できるのは、あくまでも「被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした」という特別な事情がある場合に限られます。


子の配偶者は相続人に含まれません(配偶者の親と養子縁組した場合を除く)。たとえば、長男の妻が、義父をいくら献身的に介護したとしても、遺産を相続する権利は全くありません。

夫や子が相続人になる場合はまだ良いでしょうが、夫の兄弟姉妹に全ての遺産が渡ってしまうケースもあるのです。以下、パターンに分けて解説します。

夫が健在な場合

義母がすでに亡くなっていて、義父について相続が開始した場合を例にします。この場合、2人の子の相続分は2分の1ずつです。子の妻(嫁)には相続権が無いものの、相続人である夫がいれば特段の問題は生じないでしょう。

夫が健在な場合

夫が亡くなっているが、子がいる場合

義父よりも先に夫が亡くなっている場合であっても、夫婦の間に子がいれば、その子が代襲相続人となります。

夫が亡くなっているが子がいる場合

夫が亡くなっていて、子がいない場合

問題なのはこのケースです。義父よりも先に夫が亡くなっていて、夫婦に子がいない(または、すでに亡くなっている)場合、夫の兄弟姉妹がすべての遺産を相続します。

義父が所有する家で同居していたとして、義父が亡くなってしまうと、その家の所有権は夫の兄弟姉妹に移ってしまいます。もしも、家を出て行ってくれと言われたら従うしかないわけです。

夫が亡くなっていて、子がいない場合

子供がいない夫婦で、夫の両親と長年に渡って同居していたような場合、このケースに当てはまることもあるでしょう。このような場合で、1人で生活できるだけの収入や蓄えがなかったとすれば、そのまま路頭に迷うことにもなりかねません。

夫の父から遺産を引き継ぐ方法

夫の父と養子縁組をすれば、実子と同様に相続人となります。けれども、相続のことを考えて今から養子縁組をするというのは、あまり現実的でないかもしれません。

その他の方法では、義父の財産を相続することはできませんが、それでも遺産を引き継ぐことはできます。それは義父に遺言書を書いてもらい、遺贈を受けることです。遺贈とは遺言による贈与ですから、相手方が相続人である必要はありません。

ただし、子の妻(嫁)の側から、遺贈をしてくれとはなかなか言いづらいのが現実でしょう。結局、遺産相続の問題が目前に迫ってからでは、有効な対策をするのは困難になってしまうことも多いです。

誰が相続人となるのかを把握するのが相続対策の第一歩です。その上で、早いうちから家族全員で相続について話し合う機会を持ち、正しい相続対策をおこなうようにすることが大切です。

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