マンション管理費滞納者への請求

分譲マンションの管理費・修繕積立金を滞納している区分所有者への支払い請求です。

マンション管理費・修繕積立金の滞納が発生したとき、まずは、管理会社から督促をするのが通常でしょう。しかし、管理会社から電話をしたり、督促状を送ったりしても、任意に支払をしない場合、最終的には管理組合の理事長により訴訟や支払督促を行うことになります。

認定司法書士は140万円以下の金銭の請求について、ご依頼者の代理人として、内容証明郵便の送付や和解交渉、また、簡易裁判所における訴訟・支払督促等の手続を行うことができます。

したがって、認定司法書士にご依頼いただけば、マンション管理組合理事長の代理人として、管理費等の滞納者に対して請求をすることが可能です。

なお、認定司法書士とは、簡易裁判所において取り扱うことができる民事事件(訴訟の目的となる物の価額が140万円を超えない請求事件)等について、代理業務を行うことができるとの法務大臣の認定を受けた司法書士です(簡裁訴訟代理等関係業務)。松戸の高島司法書士事務所は、もちろん認定司法書士事務所です。

1.内容証明郵便による滞納管理費の請求

 1-1.代理人司法書士名での内容証明郵便発送

マンション管理費滞納者に対して、代理人司法書士から内容証明郵便により督促を行います。既に、管理会社名、管理組合理事長名での内容証明郵便を送付している場合でも、代理人司法書士によってあらためて内容証明郵便を送ることで、任意の支払を強く促すことができます。

 1-2.消滅時効期間の中断

マンション管理費等の債権は5年間で時効消滅します。滞納期間が長年に渡っている場合、最近5年間の分しか請求することが出来ないことになります。そこで消滅時効期間が迫っている場合、まずは内容証明郵便により請求を行うことで、消滅時効の完成をストップさせることが可能です。

ただし、内容証明郵便により請求を行った場合、その後、6ヶ月以内に訴訟による請求や支払督促等をしないと時効中断の効力はありません。つまり、6ヶ月ごとに内容証明郵便による請求を繰り返しても、時効を中断させることはできないのです。このことは、民法147条および153条で規定されています。

民法 第147条(時効の中断事由)
  時効は、次に掲げる事由によって中断する。
  一  請求
  二  差押え、仮差押え又は仮処分
  三  承認

民法 第153条 (催告)
  催告は、六箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法 若しくは家事審判法 による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。

(ご参考)マンション管理費等の消滅時効期間について
平成16年4月23日の最高裁判決で「マンション管理組合が組合員である区分所有者に対して有する管理費及び特別修繕費に係る債権が、管理規約の規定に基づいて、区分所有者に対して発生するものであり、その具体的な額は総会の決議によって確定し、月ごとに支払われるものであるときは、当該債権は民法169条所定の債権に当たる。」 と判断されています。

通常の債権は10年で時効により消滅しますが、「マンション管理組合が組合員である区分所有者に対して有する管理費及び特別修繕費に係る債権」については、民法169条の「定期給付債権の短期消滅時効」に該当するとされたのです。

民法169条(定期給付債権の短期消滅時効)
年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、五年間行使しないときは、消滅する。

2.訴訟・支払督促による滞納管理費の請求

  2-1.支払督促

裁判所を利用して滞納管理費の請求をする場合、簡易迅速な手続として『支払督促』が有効なことがあります。

支払督促は簡易裁判所に申立てします。そして、簡易裁判所書記官は、申立人(債権者)の主張のみに基づいて、相手方の言い分を聞くこと無しに支払督促を発します。

この支払督促に対して、債務者(管理費滞納者)から異議の申立てがない場合、仮執行宣言付の支払督促が、通常訴訟によって得た確定判決と同一の効力を持ちます。つまり、裁判が開かれることなく、簡易裁判所受付での手続のみにより、通常の裁判をしたのと同じ効果が得られるのです。

ただし、この支払督促に対して、債務から督促異議の申立てがあった場合、支払督促は効力を失って通常の訴訟に移行します。したがって、相手方が争ってくる(異議申立をする)ことが予想される場合、はじめから通常訴訟を提起した方が良いことになります

よって、相手方が争ってこないと予想される場合には、支払督促による滞納管理費の請求が有効です。

  2-2.通常訴訟

司法書士が管理組合理事長の代理人として、管理費滞納者に対して訴訟を提起します。訴訟においては裁判所で口頭弁論が開かれますが、原告代理人である司法書士が代わりに出頭できますから、管理組合理事長様のご負担が軽減されます。

被告(管理費滞納者)が答弁書を提出し、口頭弁論期日に出頭した場合、話し合いによる和解に至ることが多いものと思われます。この場合、原告、被告双方が納得したうえでの和解がなされたわけですから、滞納管理費の支払が任意に行われる可能性が高いでしょう。

もしも、被告が何らの対応もしないときでも、裁判所は、原告の請求を認容する判決を出すこともできます。しかし、この場合、任意での支払がなされることは期待できないでしょうから、確定した判決に基づいて強制執行手続をすることを検討します。

なお、60万円以下の滞納管理費の請求であれば、簡易裁判所での少額訴訟を利用することも可能です。しかし、司法書士が代理人として裁判をする場合には、少額訴訟にするメリットがないので通常訴訟を利用しています。

司法書士に少額訴訟の訴状作成だけを依頼し、実際の裁判(少額訴訟)は管理組合理事長ご自身が行うことも可能です。少額訴訟であれば、原則として1回の期日で手続が終了しますから、代理人を立てなくても手続が可能でしょう。

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