会社の目的はどう決めるべきか?

会社の目的を定める際には、「明確性」「適法性」「営利性」の3点が求められます。

まず、「明確性」とは、一般人において理解可能な日本語であることが必要です。外国語をそのまま使ったり、ある業界だけで使われている専門用語を用いようとするときに問題になることが多いです。

明確性があるかどうかの判断は、登記実務上、国語辞典(広辞苑など)、現代用語辞典(現代用語の基礎知識など)に、その語句についての説明があるかなどにより行われています。

適法性については、そもそも違法である事業を目的として定めることができないのは当然ですが、他にも、たとえば「法律相談業務」や「登記申請書の作成」といった目的は、弁護士法や司法書士法違反になるため使用できません。

さらに、会社は営利を追求する法人ですから、利益を上げる可能性のない事業は「営利性」が無いと判断されることがあります。たとえば、「政治献金」、「社会福祉への出資」、「永勤退職従業員の扶助」が登記不可とされた事例があります。

2-1.事業を行うにあたって許認可申請が必要な場合

事業を行うにあたって許認可申請が必要な場合には、会社の目的にその事業についての記載が求められることがあります。たとえば、次のような事業を行う場合です。

一般労働者派遣事業の許可 → 厚生労働大臣への申請(都道府県労働局を経由)

特定労働者派遣事業の届出 → 厚生労働大臣への届出(都道府県労働局を経由)

古物商許可 → 警察署への申請

介護保険事業者指定 → 都道府県知事への申請

2-2.「商業」、「適法な一切の事業」は会社目的になるか

会社の目的は、明確性、適法性、営利性を満たしていればどのように定めても差し支えないのですが、通常は、「飲食店の経営」、「自動車の販売」など一見して具体的な事業内容が分かるように定めます。

しかし、「商業」「適法な一切の事業」のように包括的、抽象的なものであっても、会社の目的として定款に定め、登記することは可能です。したがって、会社目的として「適法な一切の事業」とだけ定めておけば、許認可申請が必要な場合を除いては、目的変更をすること無くどんな事業でも行えることになります。

しかしながら、定款および登記事項証明書に記載されている会社目的が「商業」だけでは、具体的な事業内容が分かりません。そのため、他の企業や、金融機関と新たに取引を開始しようとする場合に問題になることも考えられます。

具体的に何をしているのかが伺い知れない会社との、取引を避けようとするのは当然のことだとも言えます。そこで、どうしても「商業」、「適法な一切の事業」のような会社目的を定めようとする場合であっても、具体的な目的も同時に定めておくのが良いかもしれません。

また、事業を行うにあたって許認可申請が必要なときには、会社の目的にその事業についての記載が求められることがあるのは上記のとおりです。したがって、この場合には「労働者派遣事業」など具体的な目的を定める必要があります。

なお、かつて会社の商号には「具体性」が求められていました。したがって、「商業」との目的が認められないのは当然として、「レジャー用品の販売」、「化学製品等の製造」なども、具体性がないとされ登記が出来ませんでした。それが、会社法の施行と共に、具体性の要件は不要となったのです。

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