相続の承認・放棄

相続の選択肢には、単純承認、限定承認、放棄の3通りがあります。相続が開始し自分が相続人となったことを知ったときには、その時から3ヶ月間以内に相続の承認・放棄を決めなければなりません。

1.誰が相続人になるのか(法定相続人)

遺産相続の手続きを進めるのにあたり、誰が相続人であるかを確定させます。

1-1.相続人の決まり方

誰が相続人になるかは、法律(民法)で定められています。

まず、被相続人に配偶者(夫、妻)がいるときは、その配偶者は必ず相続人になります。そして、被相続人の子、直系尊属(父母、祖父母など)、兄弟姉妹などが、次の順位により配偶者とともに相続人となります。

第1順位  被相続人の子
第2順位  被相続人の直系尊属(父母、祖父母、曽祖父母 ・・・)
第3順位  被相続人の兄弟姉妹

被相続人に子がいる場合、その子が相続人となりますから、次順位である直系尊属は相続人とはなりません。また、子がいない場合でも、子の代襲相続人がいるときには、直系尊属は相続人となりません

そして、子(および、その代襲者)がいなければ次順位である直系尊属が相続人となり、子も直系尊属もいなければ兄弟姉妹が相続人になります。

1-2.相続人確定の方法

誰が相続人となるかは、被相続人の戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍)などにより確定させます。

まず、被相続人に妻がいるかは、被相続人が亡くなれた旨の記載のある、最終の戸籍謄本により判明します。

第1順位の相続人である子の存在を確認するためには、被相続人の出生から死亡に至るまでのすべての戸籍謄本などが必要です。再婚していて前妻(前夫)との間に子がいるときもありますし、また、婚姻していない相手との間に子がいる場合であっても認知していれば戸籍に載ります。

したがって、その方の出生から死亡に至るまでのすべての戸籍謄本を取ることで、相続人となる子のすべてが判明するのです。

相続人となる子がいないとき、とくに、被相続人の兄弟姉妹(または、その代襲者)が相続人となる場合には、非常に多くの戸籍謄本などが必要となることがあります。

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2.相続財産の調査

相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する(被相続人の一身に専属したものを除く)とされています(民法896条)。

遺産分割協議をおこなうにも、その前に相続の承認・放棄を決定するにも、まずは相続財産を把握することが必要です。相続するのは、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含まれます。主なものとしては次のとおりです。

2-1.プラスの財産

被相続人が所有していた財産などはすべて相続人に引き継がれるわけですから、金銭的な価値があるものは基本的にすべて相続財産となります。

ただし、仏壇、位牌、墳墓、墓石や墓地使用権などの祭祀用財産は、相続財産には含まれません(民法897条)。

・現金、預貯金

・有価証券(株式、投資信託、国債、公社債など)

・不動産(土地、家、マンション、農地、山林など)

・会員権(ゴルフ会員権、リゾート会員権など)

・貴金属、宝石、書画、骨董品など

・自動車

・債権(他人にお金を貸している場合など)

・特許権、著作権、商標権など

2-2.マイナスの財産(負債、債務、借金)

・借入金(銀行、クレジット、消費者金融などからの借金)

・クレジットカード、ショッピングローンなどの立替払契約による債務

・連帯保証債務、損害賠償債務

・租税公課(税金など)

・未払いの入院費や医療費など

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