死亡退職金の相続性

hummer相続人は、死亡した被相続人の財産を承継します。複数の相続人がいる場合、最終的には財産を分割しそれぞれの持分を相続することになります。被相続人の財産には、当然、給料から貯えられた金銭も含まれます。

給料が財産に含まれるとすると、退職金も相続財産になりそうですがそれでいいのでしょうか。退職金と名前がついていたとしても、それぞれ性質が違う場合がありそうです。次のような例の場合、相続財産に含まれるかどうか判断をしてみてください。

Aさんは長年B財団の理事長を務めていました。またAの妻Yさんも、Aを補佐しB財団の事業に貢献していました。Aが死亡し、Yの他、長男、次男が相続人となりました。

B財団には、退職金支給規定はありませんでした。しかし、B財団の理事長は妻であるYが長年Aを支えた功績に対し報いたいと考えました。そこで、Yに対し、Aの退職金として2000万円を支給することにしました。

それを知った長男と次男は、退職金2000万円もAの相続財産に含まれるのだから、自分たちにも分割するように要求しました。これに対し、Yは、この退職金はB財団から自分がもらったものだと主張しました。Y自身の固有財産だとすると、相続財産には含まれないため息子たちに分割する必要はありません。

裁判でこのような事例が争われたとき、1審は息子たちの言い分を認めました。しかし、2審では息子たちの言い分は認められませんでした。1審と2審で判断が分かれたこの裁判、最高裁ではどうなったのでしょうか。

最高裁判所は、息子の言い分を退けました。つまり、Yがもらった2000万円は相続財産ではないとされたのです。この場合、理事長であったAを支えたYの功に報いるためにB財団が退職金の支給を決定したことを裁判所は重視したようです。

したがって、2000万円はYの財産であり、息子たちは分割を請求することはできません。このように、退職金と名前がついていてもその性質によって誰の財産であるかは異なってくるのです。

参考)最高裁判所昭和62年3月3日判決

亡Dは財団法人Eの理事長であったたこと、Dの死亡当時、財団法人Eには退職金支給規程ないし死亡功労金支給規程は存在しなかったこと、財団法人Eは、Dの死亡後同人に対する死亡退職金として2000万円を支給する旨の決定をしたうえ、Dの妻である被上告人にこれを支払ったことは、原審の適法に確定した事実であるところ、右死亡退職金は、Dの相続財産として相続人の代表者としての被上告人に支給されたものではなく、相続という関係を離れてDの配偶者であった被上告人個人に対して支給されたものであるとしてDの子である上告人らの請求を棄却すべきものとした原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。

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