相続財産はいつ相続人のものになるのか

被相続人が死亡することにより、相続が開始されます。相続人が一人の場合は問題ありませんが、複数の相続人がいる場合財産を分割する必要があります。

相続が開始されるのと同時に、財産の分割が完了するのであれば良いのですが、現実にはそうは行きません。たとえ、被相続人が遺言により事前に財産の分割方法を決めていたとしても、相続が開始されてから実際に分割されるまでタイムラグが生まれてしまいます。

財産の持ち主がハッキリしない時間があると色々問題が起こりますから、そのルールが決まっている必要があります。そのため日本では、遺産は相続開始と同時に相続人に帰属し、共同相続人の一種の共同所有とすることにしています。そして、共同相続した財産は遺産分割により、最終的にそれぞれの相続人のものになります。民法によると、分割の効果は相続開始時に遡って生じます。

・相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する(民法898条)。
・遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない(民法909条)。

相続財産の権利の帰属

相続財産の権利の帰属について、具体的に例を挙げて説明すると次のようになります。A男さんの主な財産は土地その1、土地その2、および自宅です。A男さんの推定相続人は、奥さんと長女、長男です。

11月1日にA男さんが亡くなり相続が開始された時、すべての財産はいったん、奥さん、長女、長男の共有になります。11月1日の時点では、それぞれの不動産の持ち主が誰かまだ決まっていないわけです。

12月10日相続のための話し合いで(「遺産分割協議」といいます)、奥さんが自宅を、長女が土地その1、長男が土地その2を相続することになりました。この時、長女が土地その1の持ち主に決定するのは12月10日ですが、法律的には11月1日から長女のものだったということになります。

つまり、長女は11月1日にA男さんから直接土地その1を取得したことになるのです。これが、「遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる」という民法の規定の意味です。

このようにすれば、権利関係が分かりやすくなりますが問題が起こる場合もあります。例えば、遺産分割が行われるまでに長男の債権者が自宅を差し押さえたらどうでしょうか?

ここに書いた例では、比較的短時間で遺産分割が行われていますが、実際にはかなりの時間がかかる事が多いものです。相続人以外の第三者が、関わる事も予想されます。これについては、それぞれの事例によって、検討してみたいと思います。

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