遺言書に必要なのは?

「自分の死後の家族が困らないように、土地や財産の相続に関して書面を残しておきたい。」
こう思った時、あなたならどうしますか。簡単なメモ書きや、エンディングノートでは意思は伝わっても法的効力が無い事が多いでしょう。ここはやはり、遺言書を書くべきかもしれません。「私は毎年正月に、遺言書を書いているから大丈夫!」と自信満々のあなた、本当に正式な遺言書を書けていますか?

まず、一般的な遺言書の方式としては、「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」があります。公正証書遺言とは、公証人に作ってもらう遺言書なので書式などに問題はないでしょう。せっかく書いても法的に効力が認められない場合があるのは、自分で書く「自筆証書遺言」です。

自筆証書遺言の基本的な約束は、次のようなものです。
1)自分ですべての文章を書くこと
 パソコンやタイプライターで書いたものは認められません。ビデオや録音の方法で伝えることも認められていません。
2)作成した日付を正確に記載すること
 日本では、○月吉日などと書くことがしばしばありますが、遺言書の場合無効になります。
3)氏名を書き、印を押すこと
 芸名やペンネームでも認められます。印は実印でなくても大丈夫です。
4)訂正をするときには、訂正印が必要
 欄外に「本業第五字の次に○○○と三字加入する」などと付記し、その場所に署名します。

これらの条件は、遺言書の偽造・変造を防ぎ、遺言者の真意による作成であることを裏付けるためのものです。

では、次のような場合、1の条件を満たしているといえるでしょうか。

老人性白内障で視力が衰え、病気の後遺症で手が震え単独で文字が書けない人が遺言をしたいと思いました。そこで、他の人に手を支えて動かしてもらい、遺言者が声に出した内容を書き、遺言書を作成しました。この場合、自分で書いたと認められるでしょうか?このような事例で、判例(最判昭和62年10月8日)は、「自分で書いた文章とは認めない」と判断しました。

遺言を作成したら、次のようなことを周りの人に伝えておきましょう。
・自筆証書遺言は、相続開始後家庭裁判所へ提出して手続きをしてもらう必要がある
・封印をした場合、家庭裁判所で開封しなくてはいけないので勝手に開封しない

せっかく遺言書を作っても、うっかり開封して無効になったのでは意味がありません。

遺言書の書き方について(司法書士からの一言)

遺言書への署名は、戸籍上の氏名を書くのが原則です。ただし、遺言者が誰であるかが特定できれば差し支えないとされているので、通称名やペンネームであっても有効とされたケースがあります。

また、遺言書への加除・訂正は非常に厳格な方式が求められており、訂正などの仕方に問題がある場合に、遺言全体が無効だと判断されることもあり得ます。したがって、遺言書を書き間違えたり、書き加えたりしたいときには、全体を書き直すのが原則だと考えるべきです。

自筆証書遺言は、専門家の手を借りずとも自分で作成できるものです。しかし、実務で数多くの遺言書を見てきた経験からすると、遺言者が1人で作成した遺言書には問題があるものが非常に多いです。

公正証書遺言にするのがベストですが、自筆証書遺言であっても司法書士、弁護士などの専門家に相談したうえで作成するのが良いでしょう。

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